17.経営力向上計画とは?

   

 経営力向上計画は、人材育成、コスト管理等のマネジメントの向上や設備投資など、生産性を向上させるための計画で、事業分野別の主務大臣に認定された事業者は、税制や金融支援等を受けることができます。

 

対象者は?

 

・資本金10億円以下又は常時使用する従業員数が2,000人以下の法人、個人事業主等

(税制措置の対象者は資本金1億円以下です!)

 

支援措置は?

 

①税制措置

認定計画に基づいて取得した一定の設備や不動産について、法人税、所得税や不動産取得税等の特例措置を受けることができます。

(固定資産税の2分の1の軽減の特例措置は平成31年3月31日の適用期間末日をもって終了しております。)

 

②金融支援

日本政策金融公庫による低利融資、民間金融機関の融資に対する信用保証、債務保証等の資金調達に関する支援を受けられます。

 

③法的支援

業法上の許認可の承継の特例、事業譲渡の際の免責的債務引受に関する特例、組合の発起人数に関する特例措置を受けることができます。

 

法人税・所得税の税制措置の対象設備は?

 

生産等設備を構成するものであること!

(事務用備品、本店、寄宿舎等に係る建物付属設備、福利厚生施設等に係るものは対象外)

 即時償却、10%(資本金3,000万円超1億円以下の中小企業者等は7%)の税額控除が受けられます。

 

 「A類型:生産性向上設備」

下表の設備のうち、一定期間内に販売されたモデル(最新モデルの必要無し)で、経営力の向上に資するものの指標(生産効率、エネルギー効率など)が旧モデルと比較して年平均1%以上向上

 

設備の種類

用途又は細目

最低価額

販売開始時期

機械装置※

全て 160万円以上 10年以内
工具 測定工具及び検査工具 30万円以上 5年以内

器具備品※

全て 30万円以上 6年以内
建物付属設備※ 全て 60万円以上 14年以内
ソフトウェア※

設備の稼働状況等に係る

情報収集機能及び分析・

指示機能を有するもの

70万円以上 5年以内

 

 

 「B類型:収益力向上設備」

下表の設備のうち、年平均の投資利益率が5%以上となることが見込まれることについて、経済産業大臣の確認を受けた投資計画に記載された投資の目的達成に必要不可欠な設備

※経済産業局の事前確認が必要な為、A類型のように設備取得後の例外的な申請は出来ません。

 

設備の種類

用途又は細目

最低価額

機械装置※

全て 160万円以上
工具 全て 30万円以上

器具備品※

全て 30万円以上
建物付属設備※ 全て 60万円以上
ソフトウェア※

全て

 

70万円以上

 

【A類型・B類型共通の注意点】

※医療保険業を行う事業者が取得等するものについては、一部、除外されます。器具備品のうち「電子計算機」、「建物付属設備」は対象となりません。

 

※ソフトウェアのうち複写して販売するための原本、開発研究用のもの、サーバー用OSのうち一定のものなどは除きます。

 

※発電の用に供する設備については、主として電気の販売を行うために取得等するものを除きます。

 

 

 

他の補助金との関係は?

 

補助金・助成金を受けた設備について、圧縮記帳(※)の適用を受けた場合の取得価額の判定は、圧縮後となります。

 

※圧縮記帳とは、補助金等で受けた収益が一時に課税されるため、取得価額を減額することで、翌年度以降の減価償却費が少なくなり、目的資産の取得困難性を排除し課税の繰り延べを図る税制上の規定です。

 

 

 

登録免許税、不動産取得税の軽減措置とは?

 

経営力向上計画に基づく中小企業者等の事業承継(合併、会社分割、事業譲渡)の際に発生する登録免許税や不動産取得税の軽減措置が講じられています。(適用期間:平成30年7月9日~令和4年3月31日迄)

 

「登録免許税」

不動産所有権移転の登記

・事業に必要な資産の譲受けの場合

 2%(通常税率)⇒ 1.6%

・合併の場合

 0.4%(通常税率)⇒ 0.2%

・分割の場合

 2%(通常税率)⇒ 0.4%

 

「不動産取得税」

事業譲渡の場合のみ(合併や一定の会社分割は非課税)

・土地・住宅

 不動産の価格×3% ⇒ 不動産の価格から1/6相当額を控除後の課税標準×3%

・住宅以外の家屋

 不動産の価格×4% ⇒ 不動産の価格から1/6相当額を控除後の課税標準×4%